独特の深い青色が魅力のタンザナイトは、その美しさゆえに、偽物や混同しやすい類似の宝石が多く出回っています。
では、本物のタンザナイトと偽物には、どのような違いがあるのでしょうか。
この記事では、「タンザナイトの偽物や類似石の種類」と「本物との見分け方」について、専門家の視点から詳しくご紹介いたします。
さらに、タンザナイト自体の特徴や品質を見極めるポイントについても解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。
Contents
タンザナイトの偽物とは?間違われやすい宝石もご紹介
タンザナイトには、偽物や類似石が多く出回っており、本物との見分けがつきにくい場合があります。
特に、よく似た色合いの石は誤認されやすく、正しく区別できなければ、本来の評価を見誤ってしまう可能性があります。
そこで、ここでは、タンザナイトの偽物や類似石を詳しく解説するとともに、見分け方についてご紹介いたします。
タンザナイトの偽物の種類
タンザナイトの偽物とは、タンザナイトよりも安価に手に入る宝石を指します。
タンザナイトより高価な宝石は、たとえ似ていても「偽物」としては扱われません。
そのため、タンザナイトの偽物には、安価で製造できる合成石や人造石などが多く利用されます。
1.合成ブルーサファイア
合成ブルーサファイアは、タンザナイトの偽物としてよく利用される合成石の1つです。
比較的安価で製造でき、タンザナイトに似た色合いを再現しやすいため、大きく美しい石を作ることが可能です。
しかし、天然石と合成石では、内包物(インクルージョン)の種類が大きく異なります。
そのため、宝石の専門家が詳しく観察すれば、本物のタンザナイトと合成ブルーサファイアを見分けることは難しくありません。
2.青色のキュービックジルコニア
タンザナイト特有の濃青色から紫色の美しい色合いを再現したキュービックジルコニアは、一見するとタンザナイトによく似ています。
しかし、キュービックジルコニアには、観察する方向によって色が変わる「多色性」という性質がありません。
そのため、大きめの石やルース(裸石)であれば、タンザナイトとは容易に区別できます。
ただし、石が非常に小さい場合や、ジュエリーにセッティングされている場合は、多色性を確認しにくいため、見分けが難しくなることもあります。
3.ガラス製品
ガラス製品は、最も安価に製造できるタンザナイトの偽物です。
ガラス製の偽物は、天然石と大きく異なる部分が多いため、比較的容易に見分けることができます。
例えば、ガラス製品には、気泡が内包物として含まれる場合がありますが、タンザナイトにはこうした気泡はありません。
また、ガラスは、ファセット(宝石の平らな面)の稜線が丸みを帯びやすい特徴があるため、拡大検査を行うとタンザナイトとの違いをはっきりと確認できます。
4.青色~紫色の宝石類
タンザナイトによく似た青色や紫色の宝石が、タンザナイトの偽物として使用されることがあります。
例えば、アイオライトは、タンザナイトと同じく強い多色性を持つ青色の宝石で、見た目も非常によく似ているため、区別が難しい場合があります。
また、青色から紫色の宝石類のうち、比較的安価なものは、タンザナイトの偽物として利用されることが少なくありません。
タンザナイトと間違われやすい「ブルーサファイア」
タンザナイトには、偽物だけでなく「間違われやすい類似石」も存在します。
その代表例が、天然のブルーサファイアです。
とは言え、ブルーサファイアは、タンザナイトの偽物として利用されることはありません。
なぜなら、ブルーサファイアは、知名度や市場価値が高いため、そのままブルーサファイアとして取引されるのが一般的だからです。
しかし、見た目が似ていることから、両者が混同されるケースは少なくありません。
ここでは、タンザナイトとブルーサファイアの違いについて詳しく解説いたします。
1.タンザナイトとブルーサファイアのカラーの違い
タンザナイトとブルーサファイアは、色味がよく似ています。
特に、最高級と呼ばれるものは、どちらも濃く鮮やかな青色をしているため、色だけで両者を見分けるのは困難です。
しかし、タンザナイトとブルーサファイアでは、多色性に違いがあります。
流通しているタンザナイトは、非常に強い多色性を示し、観察する方向によって濃い青色や紫色がはっきりと確認できます。
一方、ブルーサファイアにも多色性はあるものの、タンザナイトほど劇的な変化は見られません。
2.タンザナイトとブルーサファイアのモース硬度の違い
タンザナイトとブルーサファイアは、モース硬度に大きな違いがあります。
タンザナイトのモース硬度は6~7であるのに対し、ブルーサファイアは9と、ダイヤモンドに次ぐ高い硬度を持っています。
そのため、ブルーサファイアは耐久性に優れていますが、タンザナイトは比較的柔らかく、扱い方によってはすり傷が付きやすい特性があります。
また、この硬度の違いは、合成ブルーサファイアにも当てはまります。
合成ブルーサファイアもモース硬度9なため、耐久性に優れ、擦り傷に強い特徴があります。
そのため、タンザナイトと合成ブルーサファイアを見分ける際にも参考となります。
- おたからや査定員のコメント
タンザナイトは、非常に濃い色から淡い色まで、様々な色合いが存在します。
さらに、多色性の強い宝石であるため、観察する角度やジュエリーへのセッティング方向によって、色の見え方が大きく変わります。
こうした色の幅広さから、偽物や類似石との区別が難しくなる場合があります。
タンザナイトの真贋を確認したい場合は、宝石に精通した査定員が在籍するおたからやへお気軽にご相談ください。
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タンザナイトの本物と偽物の見分け方3選
タンザナイトの偽物や類似石には、合成石や天然石を含む様々な種類があります。
青色から紫色の宝石であれば、どれもタンザナイトの偽物として扱われる可能性があるため、その真贋を見極めるのは非常に難しいのが現状です。
ここでは、本物と偽物を見分ける3つの方法をご紹介いたします。
ただし、いずれの方法も、単独でタンザナイトの真贋を完全に判断できるわけではありません。
お手元の宝石を確認する際は、複数の見分け方を組み合わせ、慎重に判断することをおすすめします。
内包物(インクルージョン)
タンザナイトは、比較的内包物が少なく、透明度の高いものが多く流通しています。
ただし、天然石である以上、内包物が含まれる場合もあり、特に低品質なタンザナイトでは内包物が多く、透明度が低下することもあります。
一方、偽物のタンザナイトには、特有の内包物が見られる場合があります。
例えば、ガラス製の偽物に含まれる気泡は、天然石にはほとんど見られない特徴です。
そのため、もし気泡が確認できる場合は、偽物である可能性が非常に高いと言えます。
多色性
タンザナイトの大きな特徴の1つに、多色性という性質があります。
多色性とは、観察する角度によって宝石の色が異なって見える性質のことです。
タンザナイトの場合、「濃青」「赤紫」「黄緑」の3色が観察できると言われていますが、実際には濃青と赤紫の2色が目立ちやすいのが一般的です。
この多色性の有無を確認することで、タンザナイトの本物と偽物をある程度見極めることができます。
多色性と間違いやすいそのほかの特殊な効果
多色性を確認する際は、別の特性である「蛍光性」や「変色効果(カラーチェンジ)」との混同に注意が必要です。
蛍光性とは、UVライトで照らすと、宝石が特有の光を発する現象です。
また、変色効果は、宝石を照らす光源(照明)の種類が変わることで、宝石の色が劇的に変化する現象を指します。
多色性は、宝石を見る角度によって色合いが変化する現象であるため、蛍光性や変色効果とは全く異なるものです。
販売価格
販売価格をもとに真贋を判断するのは、比較的簡単な見分け方の1つです。
特に、あまりにも安価で販売されている場合は、タンザナイトではない可能性が高いと言えます。
しかし、タンザナイトには、天然ブルーサファイアという類似石が存在するため、価格だけで真贋を判断するのは難しい場合があります。
天然ブルーサファイアは青色の宝石の代表格で古くから人気が高く、一方のタンザナイトも高い希少性と人気を誇る宝石です。
そのため、どちらもハイジュエリーとして扱われることが多く、市場において安価で販売されることはほとんどありません。
ただし、高額で購入した宝石であっても、それが必ずしもタンザナイトであるとは限りません。
そのため、価格だけに頼らず、ほかの要素も併せて確認することが重要です。
- おたからや査定員のコメント
タンザナイトの真贋を判断する上で、多色性を確認することが最も有効な方法と考えられています。
しかし、タンザナイトによく似たアイオライトも同様に強い多色性を持っているため、多色性だけでは区別が難しい場合があります。
そのため、タンザナイトは、簡単な方法だけで真贋を完全に見分けるのが難しい宝石です。
もし、お手持ちのタンザナイトの真贋を確かめたい場合は、私たちのように専門知識を持つ鑑定士に査定をご依頼ください。
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タンザナイトの特徴・種類・産地
タンザナイトは、残念ながらそれほど高い知名度を持つ宝石ではありません。
その理由を紐解くために、まずタンザナイトの特徴や種類を説明します。
そして次に、タンザナイトの産地をご紹介するとともに、なぜタンザナイトがそれほど知名度が高くないのかを解説します。
タンザナイトの特徴
タンザナイトの最大の特徴は、美しい多色性です。
青色と紫色が織り交ざる神秘的な色合いこそが、タンザナイトならではの魅力と言えます。
また、この多色性を最大限に活かすには、カットの際にどの方向を正面にするかが重要になります。
青色と紫色の両方がしっかりと観察できる方向を正面にすると、タンザナイトらしいエキゾチックな色合いを存分に楽しむことができます。
タンザナイトの種類
タンザナイトは、ゾイサイトという鉱物の一種です。
ゾイサイトには、ピンク色の「スーライト」や、緑色のゾイサイトにルビーの結晶が含まれた「ルビー・イン・ゾイサイト」など、様々な色や種類があります。
また、タンザナイトには、ごく稀にキャッツアイ効果(宝石に光を当てた際に猫の目のような光の線が出現する現象)が現れることがあり、その場合は「タンザナイトキャッツアイ」と呼ばれます。
一方、キャッツアイ効果に似たスター効果(複数の光の筋が現れる現象)が現れるタンザナイトは、未だに発見されていません。
タンザナイトの産地
タンザナイトは、1960年代後半に東アフリカのタンザニアで発見された宝石で、現在もほとんどがタンザニア産です。
商業的に採掘されているのは、タンザニアのメレラニ鉱山のみとされており、非常に限られた地域でしか産出しないため、希少性が極めて高い宝石と言えます。
しかし、その希少性の高さゆえに供給が限定され、知名度が上がりにくいという課題も抱えています。
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価値の高いタンザナイトの特徴とは?
タンザナイトは、前述の通り、非常に希少性の高い宝石です。
では、これほど希少なタンザナイトの価値は、どのような基準で決まるのでしょうか。
ここでは、色や多色性、内包物など、タンザナイトの評価基準となるポイントを詳しくご紹介いたします。
色
色は、タンザナイトの評価を大きく左右する重要な要素です。
評価の高いタンザナイトは、石全体に濃く鮮やかな色が均一に付いているのが特徴です。
一方で、色が抜けている部分や色ムラが見られる場合は、価値が下がります。
また、タンザナイトは、褐色がかった色合いを持つことが多いため、褐色を取り除く目的で加熱処理が施されるのが一般的です。
流通しているタンザナイトのほとんどは、すでにこの処理が施されていますが、加熱処理の有無が評価を下げる理由になることはありません。
多色性
タンザナイトの大きな魅力の1つは、多色性です。
濃青色と紫色の2色が複雑に絡み合う様子は、ほかの宝石にはあまり見られないタンザナイト独特の美しさと言えます。
ただし、多色性の見え方は、他の評価基準となるポイントと比べると、価値が大きく変わる要素ではありません。
もちろん、多色性がはっきりと分かる方向にカットされたタンザナイトには独特の美しさがありますが、多色性は好みで選んでも問題はありません。
タンザナイトらしさを存分に楽しみたい方は、多色性を強く感じられる石を選ぶのがおすすめです。
内包物(インクルージョン)
内包物は、タンザナイトの価値を下げる要因の1つです。
タンザナイトは比較的内包物が少ない宝石ですが、全く含まれないわけではありません。
特に、安価なタンザナイトには、肉眼で確認できるほど多くの内包物が含まれている場合も珍しくありません。
とりわけ、透明度を損ない、色合いに悪影響を与えるほどの内包物があると、その影響で価値が大幅に下がる可能性があります。
そのため、内包物の有無や程度は、タンザナイトを評価する上で非常に重要なポイントとなります。
- おたからや査定員のコメント
濃い青色のタンザナイトは、まるで上質なブルーサファイアのような美しさを持ち、その価値も高まります。
一方で、多色性という特性があり、色の見え方が変化するため、評価が難しい宝石でもあります。
なぜなら、多色性そのものが価値を左右するわけではありませんが、重要な評価基準である色の見え方を複雑にする要因となるためです。
おたからやでは、経験豊富な査定員がタンザナイトの品質を正確に見極め、お客様のお品物に相応しい査定額をご提示いたします。
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